エリオット波動はエントリー手法というよりは、相場の分析のために編み出された理論です。相場の波には一定の規則性があるという考え方で、株式市場の相場分析用にと考えられました。
FXを始めたばかりの方に向けて私が勉強してきたことを記事にしています。
今後のFXのトレードの参考になれば幸いです。
エリオット波動の説明の前に
エリオット波動の事を説明するとV波動やN波動、波動の周期など細かなことが多くあり混乱してしまう恐れがあります。私がそうでした。
そこでエリオット波動のこれさえ分かっていればFXで使えるという部分の説明をしていきたいと思います。
そのためにまずは相場はN字に動くという前提条件を忘れないでください。買いで上昇したら売りで下降する。形は崩れたりしますが基本は大小のN字の連続でチャートは作られています。
エリオット波動の考え方
相場が上昇している時には5つの波が、下降している時には3つの波があると定義しています。
上昇時は細かな波でゆっくりと上がり、下降時は急に落ちていくという考え方です。
大きな波の1波のなかも小さな5波や3波で構成されています。
エリオット波動の成立要件
エリオット波動の上昇の5波には成立とみなす条件があります。
- 第3波の上昇が一番短くなることはない
- 第1波の始まりよりも第2波の下降が下回る事はない
- 第4波の下降が第1波の作った高値を下回る事はない
上記3点をクリアした局面をエリオット波動と呼びます。

個人的にはこれが混乱の素でした。なんでもありじゃん感が・・・
エリオット波動とフィボナッチ
エリオット波動を使う時に必須なのがフィボナッチ数です。
フィボナッチ数とは「となりの2つの数字を足した計が次の数字となり~」と詳しくは割愛しますが自然界や芸術作品などにみられる黄金比も有名だと思います。
エリオット波動だけでは各波がどこで反転するのか分かりません。そこでフィボナッチ数を利用して、反転ポイントを想定していきます。相場分析のテクニカルではフィボナッチリトレースメントとよばれています。
上昇5波、下降5波の実際のチャートにフィボナッチを引いてみました。
上昇の第1波に引いたフィボナッチが紫になります。押し目のポイントとなる第2波の下降の終点が、第1波の61.8%のポイントで止められています。
第1波の上昇に対して深く押し目を作った事になります。
上昇の第3波に引いたフィボナッチが黒です。こちらは押し目となる第4波の下降の終点は、第3波の23.6%のポイントで止まりました。
第3波の大きな上昇に対して横方向に動くように少しずつ下降しています。
このようにフィボナッチを使って押し目や戻りの目安をたてて、相場の動きの分析に使っていきます。
フィボナッチによるエントリー手法
エリオット波動は第5波が始まった時に成立かどうかが判断できます。
第1波の始点より下に第2波がいかない、第3波が一番短くない、第4波が第1波の頂点よりも下にいっていない、と確定の条件が細かいからです。
第1波が終了して下降を始めた時、フィボナッチを使って第2波の下降がどこまでかの目安を作り、そのポイントで反転したら押し目買いのエントリーをしていきます。
上昇しないで下降してしまったらフィボナッチの少し下で損切り。これを繰り返すことで大きな第3波の上昇を狙っていきます。
第3波が終わって下降し始めたら、次は第4波の下降の目安を作って第5波の上昇を狙っていきます。
この手法の利点はエリオット波動が成立すれば第3波、第5波の大きな上昇で利益も大きく取れるというところです。損切りが続いても小さい損失で終わらせ、大きく利益を伸ばすことが重要です。
欠点としては第3波、第5波の大きな上昇が狙い目なので、思ったほど伸びなかった、あるいはそのまま下降してしまった場合は、損失の方が大きくなってしまう可能性があるという事です。

下降の場合の戻り売りの手法は上記の反対に考えればよいかと思います。
まとめ
エリオット波動は形が崩れているケースが多いように感じます。相場の波が規則性をもって動いていくことを認識できていれば、エリオット波動の完全な形にこだわりを持つ必要はないと思います。
フィボナッチはチャートの過去検証をしてみると、有効に機能しているのがよく分かります。信じ過ぎるのはいけませんが、一つの目安にするには充分に通用するテクニカルです。
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