ナンピンはFXで効果的な手法になるのでしょうか。
賛否両論のナンピン。
ですが結局は他の手法と同じ。
ナンピンが良いか悪いかではなく使い方だと思います。
これまで私が学んできた事を記事にしています。
FXに真剣に取り組んでいる方のお役に立てば幸いです。
ナンピンについて
ナンピンの語源
ナンピンは漢字では難平と書きます。
江戸時代の米相場でも使われていたようです。
難(ナン)を平(たいら)にする、ということで「ナンピン」
ちなみに愚か者のことを「ナンピン」と言っていたという話もあります。
ナンピンとは
ナンピンとは以下のような手法になります。
下図は買いポジションの場合ですが、売りポジションの場合は反対に考えてください。

あるレートで買いポジションを持っている。
この後レートが下降すると当然、含み損が発生します。
この状況でさらに買いポジションを増やすことをナンピンと言います。
次にレートが上昇した時、含み損を早くプラスマイナスゼロにするために平均取得価格を下げることを目的とした手法がナンピンとなります。
ナンピンを使う注意点
では「含み損になったら必ずナンピンを使う状況」と言えるのでしょうか?
レートが思った方向に動いてくれる保証はありません。
なんの戦略もなく「含み損になったから即ナンピン」
これではいつか破産してしまいます。
手法には相性のいい相場環境があります。
ナンピンも使える状況と使えない状況があります。
ナンピンが成功する可能性の高い状況
レンジ相場のケース
レンジ相場は行ったり来たりを繰り返す相場環境。
ゆえにナンピンが効果を発揮しやすいといえます。

レンジ相場のブレイクを狙ってエントリー。
結果はブレイクせずに元のレンジに戻ってしまった。
こんなケースではレンジ相場が継続する想定でナンピンしてみるのもあり。
レンジの底から再び上昇してくればプラスマイナスゼロにできます。
このような相場環境になればナンピンは非常に有効に機能します。
しかし注意点として待ち時間が長くなる可能性もあります。
できればプラススワップのポジションの時に利用するのがお薦めです。
ナンピンしてプラスマイナスゼロに戻るまでの期間が長いと、少額であってもマイナススワップなら資産は減っていきます。
あまりいい気分ではないでしょう。

マイナススワップのポジションを持った時、大きく損失方向に動き出したら潔く損切りしましょう。
トレンド相場のケース
例えば上昇トレンドの途中でブレイクアウト手法でエントリーしたケースです。

ポジションを持った後、思ったほど上昇しないで下降を始めてしまったケース。
上昇トレンドの継続がエントリーの根拠なら、次の反転ポイントとなりうる安値までナンピンしていく。
これは可能性でいえばアリだと思います。
ですがトレンド相場でのナンピンは要注意です。
直近安値までナンピンを続けると含み損も大きくなります。
そのまま安値更新してしまうとトレンド転換となり戻ってこなくなる可能性もあります。

トレンド転換してしまったら潔く損切りです。
ナンピンが失敗する可能性が高い状況
レンジ相場のケース
レンジ相場もいつかは終わりトレンド相場が発生します。
トレンドが発生する直前にナンピンしてしまうと、いつまで待っても戻ってこない事もありえます。
トレンド相場のケース
トレンド相場での逆張りポジションを取った時、保有しているのはトレンドとは逆方向のポジションになります。
ゆえにナンピンしても戻ってこない確率が高くなります。
どちらの相場でも良し悪しのケースがあります。
どちらかと言えば「レンジ相場」の方がナンピン向きだと思います。
長期間で見れば何時かは戻ってくるかもしれません。
ですが相場に絶対はありません。
戻るかも知れないし、戻らないで終わるかも知れない。
想定とは違う動きを見せたら損切りがベストだと思います。
ナンピンを成功させるためには
先にも明記しましたが、なんでもかんでも含み損がでたらナンピンでは何時かは破産。
ナンピンを有効に使うために必要となるのは何でしょうか。
相場環境認識(チャート分析)
レートが向かっていく方向の判断(相場環境認識)ができない方。
ナンピンはまだ使わない方がいいと思います。
トレンドが発生中に順張りでエントリー。
ポジションを持ったら反転してマイナス方向に動き出したとします。
- 自分は調整の下降で元のトレンドに戻ると見る。
- 別の誰かはトレンド転換のサインと見る。
このように相場環境の認識が違えばナンピンする判断も違ってきます。
お祈りしても相場は思い通りに動いてはくれません。
まずはチャート分析の知識が必要になります。
ファンダメンタルズも踏まえ相場環境を正確に認識する事が大切です。
相場環境認識に役立つマルチタイムフレーム分析については以下の記事をご参照下さい。
資金管理
ナンピンすれば必ずプラスマイナスゼロになるとは限りません。
資金量の違いで含み損に耐えられるPIPS幅は変わります。
思った通りに動かず含み損が大きくなってから一か八かのナンピン。
こうならない為に最大損失額を決めておく事をお薦めします。
そこに到達してしまったらナンピンは諦め潔く損切り。
そして次のトレードに集中。
ナンピンに頼らないトレード戦略が一番です。
資金管理に関しては、以下の記事をご参照下さい。
ナンピンと似たその他の手法
リピート系自動売買
ナンピンを応用したような取引手法を自動売買でシステムが行ってくれます。
買いで自動売買をスタートした場合、下降局面でも買いを入れ上昇時に利益確定する
その取引手法はナンピンと同じです。
ドルコスト平均法
定期的に一定金額分を購入する手法。
レートが高い時は購入量が少なく、レートが低い時は購入量が多くなる。
1ロットあたりの平均購入価格を下げる手法です。
マーチンゲール法
有名なカジノ必勝法。
1万円負けたら次は2万円賭ける。
2万円負けたら次は4万円賭ける。
このように負けた額の倍の金額で次の勝負に挑み勝つまで続ける手法です。
資金力が勝負の要です。
まとめ
ナンピンを薦めているトレーダーも多いです。
ただしナンピンを薦めるトレーダーの多くは結果がでている上級者です。
皆さん相場分析はもちろん、エントリールールや資金管理もしっかりしています。
ナンピンはFX初心者から中級者にはお薦めできない手法だと思います。
まずはためらいなく損切りできるようになる
個人的にはこの方が好結果に繋がると思います。
損切りに関しては以下の記事をご参照下さい。
コメント