両建て、とは買いと売りのポジションを同時に持つことです。
FXの情報を発信している媒体やSNSなどでも、両建てを推しているケースがあります。
買いと売りのポジションを同時に持つことで、どんなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
これまで私が学んできた事を記事にしています。
FXに真剣に取り組んでいる方のお役に立てば幸いです。
両建てについて考える
以前ナンピンの記事でも書きましたが、両建ても相場観と資金管理が重要になってきます。

トレードをするにも、エントリーの根拠が必要です。
その状況で両建てする根拠が無い限り、むやみに両建てポジションをとるのは危険です。
両建てのメリット
保有しているポジションがマイナスで含み損を抱えている場合、そのポジションとは逆のエントリーで両建てする事で含み損を限定する事ができます。

買いポジションが100PIPSの含み損という状況下。
さらに下降していくと想定される相場環境だとします。
この状況でマイナスをこれ以上膨らませないために、逆ポジションとなる売りでエントリーして両建てをします。
こうする事でそのまま下降を続けていっても、含み損は100PIPSのまま変わらない状況にします。
両建て後の対応はいろいろです。
- 含み損の解消される上昇局面を待って、どちらのポジションも利益を狙う。
- 売りポジションを追加して、早めに相殺できるようにポジション調整。
状況によって対応を変えていきますが、両建てする前にシナリオ構築しておくことが重要です。
両建てのデメリット
両建てによるデメリットとしては、ポジションを2個持つためエントリー時にかかる手数料(スプレッド)も2回発生するという事です。
証拠金がプラスαされますので、資金管理が大切になります。
両建てのデメリットとは言えないかも知れませんが、FX会社によっては両建てを禁止しているところもあります。
見つかり次第ポジションの強制解消や口座凍結などもあるようですが、これについては各FX会社の取り決めをご確認ください。
よくある禁止事項では、「別口座での両建て」や「異なるFX会社との両建て」などがあります。
両建てでのトレード手法
すでにいろいろ紹介されているので、見聞きした方も多いと思います。
実際のトレード時に使われる、両建てを利用した手法をご紹介します。
経済指標発表時のトレード
レートが大きく動く事が想定される状況を利用します。
経済指標のなかでも米雇用統計や、政策金利発表はレートが大きく動く事が予想されます。
それら経済指標が発表される直前に、両建てでポジションを保有します。

経済指標発表後、上昇した時には売りポジションを損切り。
買いポジションが損切りレート以上になり、利益が発生したら利益確定。
反対に下降したときには、買いポジションを損切りして売りポジションで利益を生み出す。
損失PIPS幅よりも利益PIPS幅が上回れば成功です。
経済指標発表による急変動で、どちらに動いても利益になるようにする両建て手法です。
レンジ相場での手法
上昇局面では買っていき、下降局面では売っていく。
買いと売りのポジションを複数持つ両建て状態にする。
利益が発生したポジションから利益確定。
含み損を抱えているポジションは、利益に変わるまで保有する。
或いは逆ポジションで相殺。
一定のレート幅を上下するのがレンジ相場。
このレンジ相場の環境を利用する両建て手法です。
ナンピンにも近い手法です。
リピート系の自動売買でも使われる手法になります。
トレンド相場でも、使えなくはない両建て手法です。
ですが一方向に伸びていき、戻ってこない事もあるのがトレンド相場です。
レンジ相場で活用するほうが、勝率もいいですし安全です。
スワップ狙い
両建てによるスワップ狙いの手法です。
スワップポイントが買いでプラス、売りでマイナスの通貨ペアがあるとします。
- FX会社Aは買い+50、売り-55
- FX会社Bは買い+30、売り-40
FX会社Aで買いポジション、FX会社Bで売りポジションを同数ロット保有します。
相場変動での利益も損失も発生しませんが、スワップポイントは+10発生します。
まとめ
含み損を抱えたポジションも、両建てやナンピンすれば必ずチャラになる・・・
そんな訳ありません。

チャラにできる方は皆、しっかりとした相場観を持ちチャート分析をして、資金管理にも優れています。
両建てを使いこなすには、それなりのFXの知識が必要です。
自信のない方は、まずはFXの勉強をしっかりする事です。
無料でもFXの知識は手に入ります。
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