テクニカル指標を使って、FXのチャート分析をする方も多いと思います。
テクニカル指標は数多くありますが、何をどのように使っているかは人それぞれ。
ですが、テクニカル指標の基本的な使い方を知らない事には、独自のアレンジをしても効果は期待できません。
テクニカル指標の使い方と注意点
FXを始めたばかりの方に向けて、私が勉強してきたことを記事にしています。
今後のFXのトレードの参考になれば幸いです。
テクニカル指標とは
テクニカル指標とは、価格の推移や時間等のデータをもとに算出された数値を、チャート分析に利用するため視覚的に分かりやすく表示したものです。
基本的に過去のデータを集計して数値化され、今後の価格の動向を推測するために利用されています。
テクニカル指標には、トレンド系とオシレーター系があります。
メジャーなテクニカル指標4選
ここから、代表的なテクニカル指標をご紹介していきます。
メジャーな指標ですので、FXをする方なら聞いたことがあると思います。
テクニカル指標の数値には根拠をもった計算式がありますが、この記事では記載していません。
計算式を覚えても、トレードに使う事はありません。
EAなどを作成するような方以外は、テクニカル指標が示す情報を理解できれば充分です。
トレンド系
トレンドが発生している際に、トレンドの方向や勢いを判断するのに適したテクニカル指標です。
移動平均線
移動平均線(MA)は、もっともよく使われているテクニカル指標だと思います。
ある一定期間の平均値をライン化して、チャート上に表示してくれるテクニカル指標です。
使い方としては1つの期間だけではなく、複数の期間のMAを表示させることが多いと思います。
単純移動平均、指数移動平均など種類もいろいろあります。
詳しくは割愛させて頂きますが、違いは平均をとる際に使う値が違います。
どのMAを使うかは好みによります。
どれを使っても、勝てる人もいれば負ける人もいます。
ちなみに下のチャートは、単純移動平均線(SMA)を表示しています。
期間の設定は、赤が10、青が20、緑が75になります。

これはその名の通り一番シンプルなMAで、一定期間の価格をその期間で割ったものです。
基準とする価格は、高値だったり終値だったりといろいろあります。
MAが右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンド。
MAの上にローソク足があれば買い優勢、下にあれば売り優勢。
MAを基準にして、相場のトレンドの判断をしていきます。
移動平均線でよく使われる期間は、私が調べてみた限りでは5、10、15、20、21、25、75、100、200などです。
移動平均線をトレードに使う手法としてメジャーなのは、ゴールデンクロスやデッドクロスを使った手法があります。
さらに、ローソク足と移動平均線を使った手法で有名なのがグランビルの法則です。
ボリンジャーバンド
統計学を使ったテクニカル指標で、価格の大半が一定の範囲に収まるという考え方を使っています。
ボリンジャーバンドも、移動平均線を基準に使っています。
中心の移動平均線から価格が離れている値幅で、相場の流れや勢いを判断していきます。
ローソク足が離れている値幅を見るために、バンドと呼ばれるラインをチャート上に表示しています。
このバンドは、移動平均線と価格の標準偏差を表しているらしいのですが、私もよくは分かりません。標準偏差とは統計でつかう用語らしいです。
ボリンジャーバンドの幅は、広がったり縮まったりします。
中心からの乖離率をσ(シグマ)という単位を使って表しています。
通常は1~3σまでの表示が多いと思います。
このバンドの伸縮とローソク足の位置で、相場の勢いを判断していきます。
中心の移動平均の上にローソク足があれば買い優勢、下にあれば売り優勢。
2σからー2σまでに価格が収まる確率は約95%。
そのため2σとー2σにローソク足がタッチしたら、逆張りのサインとされています。
以下のチャートは、移動平均を20に設定したボリンジャーバンドです。
1σとー1σが赤、2σとー2σが青、3σとー3σが緑です。

中心の移動平均線から大きく離れてバンドが広がっている時に、バンドに沿ってロウソク足が動くことをバンドウォークと呼びます。
バンドウォークは、一方向に強く価格が動いている時に見られます。
ボリンジャーバンドを使った手法では、バンドの間隔を利用したものが多いです。
バンドにタッチしたり抜けたりしたタイミングでエントリーして、次のバンドにタッチしたり抜けたりしたら決済する手法などがあります。
オシレーター系
現在の相場が、買われすぎか売られすぎかを判断するのに適したテクニカル指標です。
RSI
過去一定期間のレートの変動幅に対して上昇した分の割合を計算する事で、買われすぎか売られすぎかを判断していきます。
一般的に、70以上で買われすぎと判断して売り。
30以下で売られすぎと判断して買い。
RSIの初期設定の期間は、14が使われることが多いです。
以下のチャートは、期間14設定のRSIになります。

ローソク足とRSIの逆行(ダイバージェンス)で、相場の反転ポイントの予測にも使えます。
ストキャスティクス
過去一定期間の高値と安値の値幅に対して、現状のレートがどの位置にあるのかを示すことで買われすぎか売られすぎの判断をします。
判断基準の多くは、80%以上で買われすぎと判断して売り。
20%以下では売られすぎと判断して買いとしています。
また%Kと%Dのラインの交差で、売買のタイミングをとる事もできます。
- 80%付近でラインが交差して下降したら売り。
- 20%付近でラインが交差して上昇したら買い。
ストキャスティクスも、ダイバージェンスによる相場反転の予測法があります。
%Kの設定値は5か9、%Dの設定値は3が多いようです。
以下のチャートは、%Kを5で設定しています。

ストキャスティクスには、ファーストとスローがあります。
一般的にストキャスティクスというと、スローストキャスティクスの事を説明しているケースが多いです。
ゴールデンクロスとデッドクロス、ダイバージェンスについてはこちらを参照下さい。
テクニカル指標を使う時の注意点
テクニカル指標はあくまでも予測
まず第一に、テクニカル指標は絶対ではないという事を理解しましょう。
現時点での価格から上昇するか下降するかを想定して、その方向にエントリーしていくのがFXのトレードです。
それまで上昇していたチャートに、テクニカル指標で反転するサインが出たとします。
サインがでたからといって、実際に反転して下降していく保証はどこにもありません。
ダマシ
テクニカル指標には、ダマシと呼ばれる現象があります。
ダマシはサイン通りになるように見えて、サインとは違う動きをしていく現象です。
- ゴールデンクロスして少し上昇したと思ったら、すぐにデッドクロスで急下降。
- 2σにタッチして下降すると思ったら、突き抜けてぐんぐん上昇
- ダイバージェンスが出たのに反転下降しない
これらダマシを避ける確実な方法はありません。
ダマシの存在が、トレードで損切りが大切だと言われる要因の一つです。
慣れるまでは一般的な設定で
テクニカル指標が機能する理由の一つに、多数のトレーダーが同じものを見ている事にあります。
みんなが同じテクニカル指標で判断して、同じようなポイントでエントリーや決済をしている。
そのため、ローソク足の動きがテクニカル指標で予測した通りに動いていきます。
一人だけ珍しい数値を使っても、他のトレーダーとは判断のタイミングが違ってきます。
このタイミングの違いを利用して、独自の手法を構築している上級者もいます。
ですがFXを始めたばかりでは、タイミングの違いを利用できる技術も相場観もありません。
まずはみんなと同じテクニカル指標を見て、テクニカル指標の動き方の特徴と相場観を養う事を目標にしていきましょう。
巷の必勝法を簡単に信じない
テクニカル指標を使ったエントリー手法で、必勝法があるように見せるのは難しくありません。
過去チャートに合わせてテクニカル指標の設定を変えたり、手法に合致する相場環境のチャートだけ見せれば、あたかも全勝の必勝法に見えてしまいます。
紹介されているすべての手法がウソとは言いませんが、自分の目でよく確かめることが大切です。
ホントに使える手法の紹介では、必ず欠点も指摘してくれています。
例えば「トレンド相場向きで、レンジ相場では使えない」など、きちんとした説明がされています。
どんな手法でも必ず必要になるのが相場観。
あせらずに、正しい知識の習得から始めましょう。
有料だから勝てる、無料だから使えないなんてことは、ことFXではありえません。
話がそれてしまいましたが、FXの商材関連には詐欺が多いのも事実。
くれぐれも、簡単に稼げるとは思わないでください。
何事にも努力は必要です。
まとめ
エントリーや決済のルールがどうしても守れない方は、テクニカル指標でカチカチのルールを作ってしまう方法もあります。
たとえばMAのローソク足がタッチしたらエントリーで、離れた後に再びタッチで決済。
あるいはボリンジャーバンドの2σタッチでエントリーで、中心線か3σにタッチしたら決済など。
予測のためのツールであるテクニカル指標ですが、ルールを守る目印にもなります。
テクニカル指標の使い方はいろいろです。
慣れてきたら、独自の使い方を考えて検証してみるのも楽しいですよ。
コメント