ゴールデンクロスとデッドクロスはエントリールールの基本ともいえるシグナルです。
正しい使い方を覚えれば、より優位なトレードができるようになります。
これまで私が学んできた事を記事にしています。
FXに真剣に取り組んでいる方のお役に立てば幸いです。
FXのゴールデンクロスとデッドクロス
ゴールデンクロスとデッドクロス。
どちらとも、設定値の違う移動平均線(MA)が交差(クロス)する現象を言います。
移動平均線についてはこちら👇
ゴールデンクロスは短期MAが長期MAを下から上に突き抜ける現象。
相場の上昇局面に現れるサインで、買いのシグナルとしても利用されます。
デッドクロスは短期MAが長期MAを上から下に突き抜ける現象。
相場の下降局面に現れるサインで、売りのシグナルとしても利用されます。
ゴールデンクロスとデッドクロスの特徴
長所
売買シグナルとして分かりやすい
一番の長所は売買シグナルとしての見極めやすさ。
ゴールデンクロス・デッドクロスの名前にある通り、2本のMAがクロス(交差)した時がシグナルとなります。
チャートの見た目でも分かりやすく、特殊なテクニックも必要ない初心者向けの売買シグナルと言えます。
トレンド相場向きの売買シグナル
レートの上下動が頻繁であれば、ゴールデンクロス・デッドクロスも頻繁に現れます。
ゴールデンクロス・デッドクロスを売買シグナルとする場合、発生が多ければ売買も多くなるのは当然。
そうなれば無駄なトレードが増え、要らぬ損失も増える可能性が考えられます。
売買シグナルとして利用するなら、安定して同じ方向に動くトレンド相場が適しています。
逆に言えば、レートが上下動を繰り返すレンジ相場ではダマシが多くなります。
短所
レンジ相場には不向き
長所でも記載しましたが、頻繁に上下動がある相場環境には適していません。
レートの上下動が激しいと、MAのクロスも頻繁に発生します。
ゴールデンクロスとデッドクロスをシグナルとしたトレード手法を選択した場合、これだけクロスが繰り返される相場では利益確定のトレード回数に比例して損切りトレードの回数も増えてしまいます。
そのためクロスを手法として使う場合、シグナル発生が多すぎてレンジ相場には不向きな傾向があります。
ローソク足確定まで判定できない
MAのクロスはローソク足が確定しないと判定できません。
そのため急なレート変動があると、ゴールデンクロスやデッドクロスを待つとトレードチャンスを逃すこともあります。
これはテクニカル指標が遅行指標であるが故の短所です。
デイトレ以上のトレードには有効性も高くなりますが、瞬時の判断でトレードするスキャルピングには不向きです。
ダマシ
これもテクニカル指標全般に言えることですが、ゴールデンクロス・デッドクロスにもダマシがあります。
ゴールデンクロスとデッドクロスのFXトレード手法の検証
実際のFXのトレードでゴールデンクロス・デッドクロスを使う時の注意点。
トレードスタイルでも違いがありますが、MAを何本使うかによっても注意点は変わってきます。
ゴールデンクロスとデッドクロスをエントリーシグナルとするトレード。
実際のチャートで検証してみます。
以下、ゴールデンクロスを例に検証していきます。
米ドル円の4時間足、レンジ相場から上昇トレンドになった相場環境です。
先に添付したレンジ相場のチャートの続きとなります。
MA2本でゴールデンクロスを利用するケース
まずはゴールデンクロスの基本形、2本のMAを使ったケースです。
上昇トレンド前半のチャート図がこちら。
移動平均線は10EMAと25EMAを表示しています。
最初のトレード(注1)ではマイナス70PIPS。
上昇トレンドになる前のレンジ相場の名残でゴールデンクロスの直後にデッドクロスで損切り。
次のトレード(ⓐーⓑ)ではプラスが2回(100PIPS・250PIPS)
上昇トレンドに勢いがつき、EMAのクロスがきれいな押し目に。
順調に利益を重ねました。
終盤に再びレンジとなり(注2)のトレードで損切りの連続。
マイナス90PIPSの結果になりました。
上昇トレンド終盤に入り、最初の(ⓐーⓑ)トレードでマイナス40PIPS。
次のトレードではプラス120PIPS。
EMA2本でのトレード収支はプラス270PIPSとなりました。
MA3本でゴールデンクロスを利用するケース
次に同じチャートに75EMAを表示させました。
移動平均線を3本使ったトレードになります。
上昇トレンド前半はこうなります。
トレンドに勢いがあるとパーフェクトオーダー状態が長くなります。
上昇トレンドの場合、長期MAが上向きの時間が長くなります。
今回のチャートの相場環境がいい例です。
上昇トレンドが長く続いてから短期と中期のEMAが長期EMAを下抜きました。
EMA2本の時は5回のトレードがEMA3本では1回。
トレード回数が減っても利益は大きくなりました(プラス290PIPS)
上昇トレンド終盤ではこうなります。
急降下で始まったチャートですが、レンジの後にパーフェクトオーダーを形成。
エントリーしてすぐに大きな陰線でダマシのような形に。
マイナス40PIPSの結果となります。
次のトレードは大きな含み益の期間がありました。
ですがエントリールールを守ると利益確定は先延ばし。
結果、プラス10PIPSという微益となります。
EMA3本でのトレード収支はプラス260PIPSとなりました。
検証から分かること
EMA2本でプラス270PIPS。
EMA3本でプラス260PIPS。
今回の検証では大きな違いは見られませんでした。
ですが充分な結果(利益)が得られたと思います。
「たられば」を言うと少し違った見方ができます。
特にEMA3本のケースはパーフェクトオーダーという追加条件も与えました。
トレードルールは決めたら守るもの!
だから「たられば」話となりますが、利確ルールを「短期と中期のデッドクロス」で検証した場合。
EMA3本のトレードではプラス150PIPSは利益が増えます。
ゴールデンクロスとデッドクロスのシグナルは使い方次第で有効な武器となることが分かりました。
- トレンドがあると有効に機能する
- レンジになると優位性はなくなる
EMA3本のケースで見てみると、レンジの間は75EMAの上や下で10EMAと25EMAがクロスを繰り返す場面が多くみられます。
このことからレンジ相場(揉みあい)を乗り切る方法として、移動平均線を短期・中期・長期の3本以上使うという選択肢がありそうです。
ですがやはりトレンド相場でこそ真価を発揮するのがゴールデンクロスとデッドクロスでしょう。
結局大切になってくるのは「相場の流れを見極めること」になります。
短所を補う方法
レンジ相場は避けてトレンド相場で利用したいゴールデンクロスとデッドクロス。
そのためにも相場の流れを知る術が必要になってきます。
移動平均線の角度でも判断できますが、根拠は多いに越したことはありません。
相場の流れと言えばダウ理論。
相場の流れを判断する根拠を増やすために、ダウ理論だけでなく他のテクニカルも併用して使っていきます。
ライン
水平ラインやトレンドラインはダウ理論との相性最適です。
トレンドの転換や継続の判断に適したテクニカルといえます。
①の状況
- 水平ラインで跳ね返された後(⇧)に、トレンドラインでローソク足が反発
- 3本のEMAがゴールデンクロスでパーフェクトオーダー(⇩)
- グランビルの法則にも該当
②の状況
- トレンドラインで反転下降した後にデッドクロス(⇩)
③の状況
- トレンドラインと水平ラインを下にブレイク
- 10EMAと75EMAがデッドクロス
- 水平ラインがレジスタンスとなり強い下降に
ラインを入れるだけでチャートの見え方がこんなにも違います。
オシレーター系テクニカル指標
レンジ相場向きのテクニカル指標と言えばオシレーター系。
移動平均線といっしょに使えば「相場の流れ」がより分かりやすく見えてきます。
①の状況
- 揉みあい(レンジ)でRSIが50周辺でウロウロ
②の状況
- パーフェクトオーダーでRSIが上向きに(結果ダマシとなる)
③の状況
- ローソク足は水平ラインとトレンドラインに止められ揉みあい
- RSIが30から50へ緩やかに上昇
④の状況
- パーフェクトオーダーで強い上昇
- RSIは70周辺で落ちてこなくなる
⑤の状況
- デッドクロスでRSIが50から30に落下
⑥の状況
- パーフェクトオーダーで下降が強くなる
- RSIが30周辺で横に動く
ラインでの考察と合わせて判断すれば根拠が増えていきます。
RSIについてはこちら👇
まとめ
ゴールデンクロスとデッドクロス。
シンプルがゆえにダマシも多いシグナルです。
エントリーツールはすべて使い方次第。
相場の流れを掴み、その流れにマッチしたテクニカルでシグナルを待つ。
使うテクニカルが多すぎても困惑しますが、トレード根拠を多くすることこそ勝利への近道となります。
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